便秘解消に効果があるとして知られるオリゴ糖ですが、そもそもどのようなものなのか、腸内でどのような働きをするのかなど、オリゴ糖の基礎知識を調べてみました。
オリゴ糖は、単糖が複数個つながっている糖類の総称で、ギリシア語で「少ない」という意味を持ちます。約20種類ありますが、便秘対策に使われるオリゴ糖は、胃や小腸では消化されにくい「難消化性」と呼ばれる性質を持っているものがほとんどです。腸を整える作用、そして便の量を増やす作用の2つがあることでも知られています。
腸を整えるために、大事なのは腸内細菌のバランスです。腸内に生息する腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌と大きく3つに分けることができます。その中で、悪さをするのは悪玉菌です。悪玉菌が活発に悪さをしていると、日和見菌は強いほうの味方をする性質があるため、悪玉菌と同じように腸内で悪いことをし始めます。結果として、悪玉菌が大きく影響する腸内となってしまうでしょう。そこで、腸にとっていい働きをする善玉菌を増やすために、必要なのがオリゴ糖です。善玉菌のエサとなって活動をサポートし、便秘改善につなげてくれます。
オリゴ糖は、悪玉菌と戦う善玉菌のエサとなり、常に腸内が善玉菌優勢の状態でいられるために、働くのが役目です。
そしてもう一つの役目が、便のかさましです。便は量が少なすぎると、腸の動きも活発にならず、便意が起こりづらくなりますよね。オリゴ糖は難消化性の性質があるため、胃や小腸で消化されず、水分を含んで腸まで移動していきます。そして、便のかさましをして、自然に便意を起こすことで便秘解消に役立ってくれるでしょう。
便秘傾向にある女子大学生24名(平均年齢19.1歳)に乳果オリゴ糖(LS)含有乳酸菌飲料(50ml,LSとして2.5g)を2週間連続して摂取させ、排便回数、排便日数、便性状など複数の観点から排便状態に及ぼす影響について検討した。その結果、排便回数,排便日数ともLS乳酸菌飲料摂取によって有意に増加することが認められ、排便量も有意に増加することが観察された。また、便の形状においても改善効果が見られた。以上の結果より、LS乳酸菌飲料の摂取は、便秘傾向者の排便状態を改善することが明らかとなった。
参照:乳果オリゴ糖含有乳酸菌飲料が便秘傾向にある女子大学生の排便状態に及ぼす影響日本食物繊維研究会誌・2002年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdf1997/6/1/6_1_21/_pdf
オリゴ糖は善玉菌を増やすサポートをする成分として、腸内細菌のバランスを維持するために欠かせません。間接的ではありますが、便秘を解消させるためにも、そして予防にもオリゴ糖の摂取は効果的といえますね。