便の形や色は、体調によって実にさまざまなタイプがあります。排便は1日1回が理想的です。しかし、体調が悪くなると、便が出にくくなったり、逆に下痢になったりします。そして、腸の状態が悪化すると便の色や形に現れます。便の色や形は自分の体調を知るバロメーターです。そのため、理想的な便の状態、あるいは調子が悪いときの状態を把握しておくことが大切です。自分の便の色や形をトイレで確認してみると、腸の健康状態がよく分かるそうなので、ぜひ確認してみましょう。
まずは排便した瞬間に分かる便の量からチェックしてみましょう。人の便の量は食べるものの量や種類で変わります。野菜やフルーツなどの食物を多く摂取する人は、便の量が多く柔らかい傾向があります。逆に肉類が多い人は量が少ないのが一般的です。平均的な量は100g~200gといわれています。毎日、たっぷりと便を出したい場合は、植物性の食物を多く摂るとよいでしょう。
また、便のにおいからも腸の状態を把握することができます。便のにおいは食べ物や病気に影響されるようです。タンパク質が多いとアルカリ性、炭水化物は酸性のにおいがします。また、肉は腐敗臭、脂肪は酸性臭となります。便秘がちで腸内に便がとどまる時間が長い人は、便のにおいが強くなるのが特徴です。膵疾患や直腸がんなどがある場合は、においがきつくなるようです。(注1)においがきつい場合は、体調が悪いと考えられます。
注1:「便でわかる体の調子」(2018年10月19日アクセス)
自分の便をまじまじと見たことがなかったわたしですが、出たものをあらためて観察してみるとお腹の調子を反映していることが分かりました。ここでは便の色をチェックしてみましょう!
大腸を通過するとき間によって、便の色の濃さが決まるそうです。明るい黄色や黄金色だと通過とき間が短く、濃い茶色の方ならばじっくりと大腸を通過した証。基本的には、黄金色から茶色の便であれば健康であると言われています。
ただし、黄色で液体状の便が頻繁に出る場合は、過敏性腸症候群の可能性があるので、ストレスを軽減するなどの対策が必要です。
定期健診でバリウムを飲んだ後などに、白や灰色の便が出ることがありますが、ウイルス性腸炎などにかかっているときも同じような色の便になることがあるそう。海外渡航後であれば、コレラなどの可能性もあるので、すぐに病院で受診しましょう。
黒の便は血液が酸と反応したことで起こるもので、食道や胃、十二指腸などに出血があった場合に出やすいと言われています。潰瘍が腫瘍の可能性もありますから、すぐに病院に行きましょう。
赤い便は大腸などで出血が起こっている場合に出やすい便です。下痢気味で赤い便の場合は、食中毒や赤痢、大腸炎などが疑われ、普通の硬さの場合は大腸がんの可能性があります。また、鮮血が出たときは痔の疑いもあります。
便の形からも健康状態が推測できます。硬いタイプ、柔らかいタイプ、いろいろありますのでチェックしてみてください。
甘栗くらい大きさでコロコロと硬い便は、慢性便秘の方によくあるタイプ。食物繊維や水分が不足していて、腸に長く留まってしまった結果、このような硬い便になります。
小さくてまん丸の硬い便は、ストレスを原因として起こる過敏性腸症候群の方によくあるタイプです。何らかの疾患で腸管が狭くなっているときもこのような便になることがあるそうなので気になる方は、ウサギになったのかと疑う前に、病院で検診しましょう。
直腸の形をそのままに、スルッと出てきた健康な便です。消化や吸収がスムーズに行われた、また水分量なども過不足ないベストな状態!!
スルッと出る便ですが、出た後は形を留めずに広がってしまいます。脂肪分の摂り過ぎなどで消化不良のときに、出る場合があります。
いわゆる下痢の状態で、水のような便が出ます。胃腸炎などの疾患が原因の場合もありますし、消化器官が弱っていたり、特殊なものを食べてしまって消化できないときなどに起こることがあります。